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映画「いつか見た青い空」 [Films]

記憶に残って、忘れられない映画がいくつかある。

その中の一つ。
小学校の時に、テレビで家族で見た「いつか見た青い空」
家族に、この映画に出ているシドニー・ポワティエのファンがいたのだ。

かなり古い映画で、白黒だったんじゃないかと思う。
記憶違いかもしれないけど。

子どもの時の何かの事故で、目が見えなくなった女の子と、公園で出あった黒人の青年。
女の子が何か裁縫をしていて、その材料を落としてしまい、拾ってくれた親切な人。
教養豊かな彼は、色んな話をしてくれ、また辛い生活を送る彼女の話も聞いてくれた。

優しい、穏やかな時間が流れるのだ。
女の子の家庭はひどくて、いつも怖い母親がぎゃんぎゃん叫んでいる。
その対比で、男性の穏やかで包み込むような優しさが浮き立つ。

何が印象に残っているかって
この男性に私も魅かれたのだ。小学生の女の子の気持ちをゲットするポワティエ。
すごすぎる。

というより、この頃から、私はストイックな、理性的な男性に魅かれる傾向があったようだ。
面白おかしいユニークで話し上手な人よりも、どちらかというと
言葉を選んで話し
物静かで
一見クールだけど、気を許した人と居るときは穏やかな雰囲気をまとう男性に魅力を感じる。
まさに私の伴侶そのもの!
変わってないじゃないか、私。

この映画のポワティエも、すごいストイック。
女の子がポワティエに魅かれていき、人種が違うと知った瞬間も動じず
愛情を深め
好きだと告白する。
女の子が、男性の顔をそっと指で触れて、彼を知ろうとする場面がある。
彼女が、彼を心から好きだ、という気持ちを観ている人間に感じさせて、切ない。

この主人公の女の子は、ひどい境遇で育ち、身内から虐待同然のことをされ
辛い経験をしていた。
目が見えないのにも関わらず、囲まれた劣悪な環境にも染まらず
本当に求めるべき大切な事、というのを直感で知っていて
その集大成として、彼を見つける。

結婚してほしい、と思うようになるのだ。
結末は、彼が理性的に1年後、まともな社会で教養を身につけ、1年経った後
考えなさい、と引き伸ばし作戦のような事をするのであるが・・・

明らかに、彼も彼女に恋をしていて
でも、フェアーなのだ。
何も知らない彼女を、すぐに手に入れない。
1年後。
劣悪な環境を脱出する(確か寮制の学校へ入学する手続きをしてあげた)手助けをした彼が、提案したこの意味は・・・

小学校の時は、二人は別れたのだ、と思った。
最後のシーンで、彼がオルゴールをプレゼントしたけれど
彼女は、学校への出発前にお別れを言うため
彼との会話のやりとりに集中し、気持ちと向き合っていたので
バスに乗る時に持っていくのを忘れてしまう。

バスが出てしまってから、忘れ物に気がついたポワティエが
オルゴールを持って走ってバスを追いかける。
でも間に合わない。

このシーンでキューっと切なくなり、別れを感じた。

でも、大人になって思い返すと・・・
彼女は強い。
はかなく、環境に翻弄されて振り回されて、の人生だったけど
中身がブレない人なのだ。
だから、一途に彼を慕った。

彼女なら、1年後、教養を身につけ、その中で「私の選択に間違いはない」と
確信した上で、彼に再度、プロポーズしに行きそうな気がする。

人種の負い目、現実社会の厳しさを知る彼からすると
好きな人をそこから遠ざけようとする理性もわからなくもないが
彼女は押し切るような気がする。

そして、幸せになるのだ。

彼女は、心ですべてを判断している。
あの悲惨な境遇をも耐えて、力のない少女時代を生きてきた彼女が
大人になって、知識と教養を持ちあわせた時、社会の厳しさに耐えられないはずがない。
しかも、愛する人が得られるのだ。


うーん、もう一度観たい映画なのだが・・・
古すぎるのか、近くのレンタル屋さんにはなかったなぁ。

シドニー・ポワティエさんは
「招かれざる客」とか「野のゆり(Amen)」とか有名な映画に出てる。
「いつも心に太陽を」と「手錠のままの脱獄」も好きだったな~
古いからか、マイナーだからか、DVDが見つからないのが多すぎる・・・









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